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  龍 脳(りゅうのう)

龍脳は二羽柿科に属する龍脳樹より採れる塩状の結晶性顆粒の事です。
 高さ50〜60m、直径が1〜2mにもなるこの木は、ボルネオ、スマトラ、マレー半島に多く分布しています。以前は幹の心部にある空間にできた結晶を採る為、木を切り、龍脳が採取出来るまで小さく割っていくという手法でしたが、現在では、材を水蒸気蒸留して龍脳を生み出す技術が普及しています。

 7世紀中国では「龍の脳」という名で呼ばれて大変重宝されました。 8世紀には唐の玄宗皇帝が最高の品質の龍脳を楊貴妃におくったという記録があります。唐の時代から12世紀まで数百年間は記録が無く、おそらく乱獲の為ほとんど手に入る事が出来なかったと思われます。その間新しい龍脳樹が生育し、現在に至っています。

 クスノキを水蒸気蒸留して取るカンファー(樟脳)と香気は似ていますが龍脳の方が繊細で気品のある香りがします。線香に使うと火をつけた時のトップノートの広がりを奏でてくれます。

 漢方薬としても目薬や消炎、鎮痛作用に、又防腐剤としても古くから使われてきました。


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