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  桂 皮 末(けいひまつ)

 肉桂(ニッケイ)には中国南部やインドネシア半島に自生又は栽培されている「カシャ」と呼ばれるシナ肉桂(チャイニーズシナモン)とスリランカを中心とする「シナモン」と呼ばれるセイロン肉桂の2種類に分かれますが、線香には前者の「カシャ」を用います。「カシャ」はクスノキ科の常緑の小高木で野生の木には10m
をこすものもあります。紀元前30世紀のインダス文明にすでに肉桂の利用がはじまり紀元前25世紀頃インドから中央アジア、シルクロードを通って中国に入ったとされ、日本へも正倉院の薬物中に五品種の桂皮が納入されていることから、おそらく仏教の伝来と同時期に伝わったとされています。

 栽培には種子を苗床にまき、1〜2年後その苗木を丘陵の傾斜地に植えかえます。5〜7年で幹の太さが4cmになり収穫できるようになります。樹皮は色淡く、4月のはじめ幹の基部から縦に切り目を入れて、樹皮をはがします。はがした樹皮の外側をかぎとり内側だけを乾燥させ粉末にしたのが桂皮末です。3〜4年ごとに樹皮が再生され、50〜60年繰返しこの作業が続けられます。中でも中国の広南地方のカシャが最高級とされています。

 桂皮は線香の他、八ッ橋、五色豆などの和菓子、ドーナツ、アップルパイなどの洋菓子、カレー粉、ソース、ハム、ソーセージなどの食品に、又漢方薬としては胃薬やカゼ薬にとはば広く用いられています。


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